図−1は、固体燃料ロケットの断面図です。固体燃料ロケットは、液体燃料ロケット異なり、持ち運びが簡単、いつでも、どこででも発射出来る利点がありますが、一度点火すると推力の調整が出来ず、消火出来ない欠点もあります。固体燃料ロケットの推薬は、図−1に示すような星形の穴があいた形で機体に鋳込まれています。星形の表面に点火され、表面が燃焼する形式です。したがって、星形の表面積が変化すれば、ロケットの推力も変化します。
固体燃料ロケットの推進薬(固体推薬)は、高分子材料をベースに酸化剤等を加えて作られます。高分子材料が粘弾性を示すことはよく知られています。例えば、材料に一定荷重を加え続けると、時間の経過に伴い変形量が増加していくクリープといわれる現象を示します。この図のようにロケットを横倒しに置くと、固体推薬には自重がかかり続けることからクリープ変形を生じ、星形の形状が変化し、表面積が変化します。このような状態で点火すれば、当初予定した推力とは違った推力が出ることになり、予定の軌道とは異なった飛行経路を飛んでいくことになります。また、燃焼ガス圧により推薬中にひび割れが生じても、燃焼面積が変化するので推力が変わってしまいます。
以上の理由から、固体燃料ロケットを予定の軌道に沿って飛行させるために、固体推薬の力学的特性や破壊挙動に関する研究を行っています。
















